最新医学情報の専門出版社・Medical Front International Limited書籍案内書籍の注文取扱書店お問合せ
書籍案内 - メディカルフロント インターナショナル リミテッド
最新刊へ
この本の目次へ
書籍の注文ページへ

小児心臓麻酔マニュアル
Manual of Pediatric Cardiac Anesthesia

発行にあたって

出生児の 1.1%において,心臓に何らかの奇形をもって生まれ,その約 30%において何らかの外科的な治療が必要であると言われている。日本では,出生率は下がっているものの,年間約 120 万弱の出生で,約 12000 人の子供が何らかの心臓奇形を持ち,そのうち約 4000 人の子供が新たに外科的手術を受けることになる。日本心臓血管麻酔学会の調査では,日本で一年間に約 9000 例の先天性心疾患手術が行われており,一人の先天性心疾患の患者さんは,一生で平均 2 回強の手術を受ける計算である。

臨床麻酔において「心臓麻酔」は,一つの高い専門性を必要とされる分野であり,また「小児麻酔」も加えて高い専門性を持った分野である。その両者の知識,技術を必要とする「小児心臓麻酔」という分野は,特殊な領域でもある。実際の症例数は麻酔全体の中でみると少ないものの,経験を積んだ麻酔科医であっても,目の前の先天性心疾患を持った新生児の麻酔管理,術後管理をすぐにはできるものではない。日本麻酔科学会の偶発症例調査において,最もリスクの高い手術部位は心臓大血管手術であり,手術年齢区分で最もリスクの高いのは 1か月未満の新生児である。したがって,新生児の心臓手術は何よりもリスクの高い麻酔管理を強いられていることになる。

岡山大学病院では,年間に 300 例以上の小児心臓麻酔を行うにあたり,大学病院という性格上,小児心臓麻酔を専門とするスタッフから他の指導医,レジデント,研修医にいたるまで数多くの麻酔科医がこの小児心臓麻酔に関与することになる。この環境の中で,周術期の成績を向上させ,そしてそれを維持し,また麻酔科医の負担を少なくするためには,技術,知識を共有し,麻酔管理上やるべきことを可能な限り共通化することが大切である。

そのノウハウを蓄積してマニュアル化したものを,今回発刊させていただいた。小児心臓麻酔のほとんどは,先天性心疾患患者であり,心臓に何らかの奇形をもった患者さんは,それぞれに血行動態が異なり,血行動態の異なる症例での麻酔管理は全く異なる。毎日のように小児心臓麻酔を行っている施設はともかく,はじめて小児心臓麻酔にあたるレジデント,研修医,あるいは複雑心奇形のケースは経験がないといった場合など,このマニュアルを参考にしていただければ,お役にたてるはずである。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
麻酔・蘇生学分野 教授
森 田 潔


HOME| 書籍案内 | 書籍の注文 | 取扱書店 | お問合せ

Copyright(c) 2003-2019; Medical Front Int. Ltd. All rights reserved.