一般外科手術における静脈血栓塞栓症の予防


  1. 一般外科(胸部外科を含む)周術期における静脈血栓塞栓症に対する予防は,手術の大きさ,年齢,危険因子(癌,静脈血栓塞栓症の既往,血栓性素因,高脂血症,糖尿病,ホモシステイン尿症,夜間発作性血色素尿症,妊娠,経口避妊薬服用,うっ血性心不全,骨髄増殖性疾患,ネフローゼ症候群,抗癌剤治療など)をもとに4段階のリスクレベルに階層化され,それに応じた予防法が推奨される。
  2. 厳密な定義はないが,大手術とはすべての腹部手術あるいはその他の45分以上要する手術を基本とし,麻酔法,出血量,輸血量,手術時間などを参考として総合的に評価する。
  3. 抗凝固療法,特にその開始時期は個々の症例の状況により裁量の範囲が広い。手術前日の夕方,手術開始後,あるいは手術終了後から開始する場合があるが,静脈血栓塞栓症のリスクと出血のリスクを勘案して,抗凝固療法の開始時期を決定する。
  4. 離床後あるいは退院後も抗凝固療法が必要と判断された場合には,ワルファリンによる予防を継続する。



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肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン作成委員会
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